ひどい腱鞘炎になってしまった私の決断

仕事や家事、育児などで、多くの方がなってしまう腱鞘炎。本当に辛いですね。

私も10年ほど前に、介護の仕事から腱鞘炎となり、右手の手術をしました。その時の経験をもとにお話ししたいと思います。

腱鞘炎になったきっかけ

当時、介護福祉士まで取得して仕事をしていた自分ですが、介助の仕方で体に負担をかけてしまっていました。

日頃の運動不足もありましたが、肩、首のコリは強く、首の辺りがコリで腫れてしまうほどでした。

そういった体のコリは、最終的に腕、手首への負担となってしまうそうです。また親指も頻繁に使ってしまっていた事から、手根管症候群になってしまいました。

はじめは左手、そして左手をかばっていた為に右手もなり、結果的に右手の方の症状が重くなっていました。

職場の看護師の方達は、すぐに手術をする事を勧められました。しかし、楽器を演奏する仕事もしていた自分は、手術に対しては大変慎重な姿勢でした。

同じような症状を持つ、演奏者の方達は悩まれる点だと思います。

やはり手術により、手にメスを入れると言う事は、今まで出来ていた動きに制限がかかってしまうためです。

手指の繊細な動きにより、演奏面で様々な表情をつける音楽家にとって、大変重要な事となります。

結局、決断するまでには1年ほどかかりました。それまでの道のりを次にお話ししたいと思います。

手術までの道のり

その頃、手術をするかどうか悩みながら、介護の仕事も音楽の仕事も続けていました。

勿論普通には手が使えない為、常に装具やサポーターを使用するという、一見物々しい形で行っていました。

また手術をする前、ステロイド注射を受けに整形外科へ通っていた時期もあります。

しかし、その手首への注射は大変に痛く、痛さのみで、私は殆ど効果を感じませんでした。今でもその時の辛い気持ちを、思い出せます。

手首に頻繁に痛い注射を打ち、その効果は自分にはほぼないと分かりながら帰る日々。涙が出てきた事もありました。

その様に過ぎる毎日の中、介護のお仕事は限界を感じ退職しました。仕事を辞めても、やはり症状は続く為、その数ヶ月後に手術へと踏み切ることにしたのです。

私なりに手術すべきかどうか、たくさん調べた後での事でした。

手術と術後のリハビリについて

ある総合病院で手術を希望し、今までの経過を医師に伝えると、すんなりと手術の日程が決まりました。

それまでの先生は、手術をするほどでは無いと言われていたので、対応の違いに少し驚きましたが、心は決まっていたので迷う事はありませんでした。

手術をすると暫くは手が動かせず、料理などが出来ないと考え、冷凍できる作り置きのおかずを沢山用意していた事を思い出します。

手術当日は、大変不安でした。ですが、家族が付き添って病院まで来てくれた事が、支えとなっていました。

いざ、手術になり局部麻酔をしてもらうと、なかなか麻酔が効かない。先生も少し意外そうに言われ、麻酔を追加されていました。

そして一瞬のうちに手術は終わり、呆気ないなと感じた事も覚えています。

術後は本当に手が使えず、またその日は出血も多かった為、大変であった記憶があります。

その後、リハビリのために同じ病院に通うのですが、私にはあまり合わないものでした。

そちらの先生は、手首が動くイメージを頭で描くようにと、ただひたすらに言われるのみでした。もう少し物理的なリハビリをされると思っていた為に、あまり意味を感じることが出来ませんでした。

その後、ある整骨院へと行くと、大変良い先生に出会うことができたのです。リハビリの時の先生は、私の手首をほとんど動かさず慎重すぎる様に見えました。

ですが、整骨院の先生は、今のうちに動かしておかないと固まり動かなくなると、思い切ってぐいぐいと動かして下さいました。

そうして施術してもらう事で、可動域が随分と広がり、以前の様に動くようになったと思います。

もしその先生に出会えなかったら、手首も固まってしまい、今ほどに動かなかったかもしれません。そう思うと感謝しても感謝しきれません。

おわりに

こうして、手根間手術を終えた私ですが、半年後には楽器の演奏もしっかりとできる様になっていました。

勿論、しばらくの期間は自分の思い描くように演奏は出来ませんでした。しかし年月が経つにつれて、以前のように弾けるようになりました。

この点は人それぞれだと思うのですが、例え以前のような感覚で演奏表現できなくても、新しい動きを体は見つけてくれます。それにより以前と同じような演奏が出来ていると感じています。

しかし、これは私の考えであり経験ですので、人それぞれの選択があると思います。

私の周りには、手術をせずに活動している音楽仲間の方が多いです。何を選ぶかは、本当にその人自身の考えによるものなので、沢山調べて、ご自分が納得する形を見つけて欲しいと思います。

自分なりの決断ができるまでは、長く辛いものだと思います。でも暗闇はずっと続かないと私は実感しています。

どうかあなたにとって、ベストな方法が見つかりますように。

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