キャンプの時にまず絶対に必要なテント。
その中でも様々なメーカーからいろいろなモデルが発売されています。
多くの人はテントを選ぶ場合、何人で使うかや、デザイン、価格などを考えて気に入ったものを購入されるかと思います。
テントを購入するときにシングルウォールテントを買ってしまうと、テントで宿泊した場合、結露や風の音、外気温の変化に悩ませられることでしょう。
シングルウォールテントについて解説していきます。
シングルウォールとダブルウォール
シングルウォールとダブルウォールを簡単に説明しますと。テントには骨組み以外の構造で、大きく分けてシングルウォールとダブルウォールの２種類があります。
ダブルウォールにはインナーシートと呼ばれる、内側の居室になる生地と、フライシートと呼ばれる外側の屋根になる部分があります。
シングルウォールは生地１枚で出来ておりフライシートがありません。
シングルウォールのデメリット
シングルウォールは生地が１枚ないため外気と居室内の内気の温度差を受けやすく、夜間と日中の温度差の影響をダイレクトに受け、さらに雨風の音もダイレクトに伝わります。
生地が一枚という構造上、直に雨風にさらされてしまうので、耐水圧が高いものでないと、水がしみてくることもあるようです。
シングルウォール最大の弱点は、ダブルウォールに比べかなり結露しやすいことです。ひどい場合ではテント上部から水滴が落ちてくる、テントの内側を水滴が滑り落ち室内に溜まってしまうほどの結露が起きます。
シングルウォールはなぜ結露が起きやすいか
結露はテント内とテント外の気温の差によって、生地に触れている部分の空気の飽和水蒸気量が下がることにより生じます。
暖かく湿度の高い部屋で、冷たい飲み物をコップに入れると結露するのと同じ原理です。シングルウォールの場合はテント内の方が外気より、暖かいまたは寒いということが起こると、先ほどのコップの話と同じで結露が起きます。
テント内の方が湿度が高く暖かければ、テント内部に、テント内が寒く、外の湿度が高くて暖かければ、外側におきます。キャンプ場では多くの場合、朝晩の気温差がありますので、シングルウォールだとどちらにも当てはまってしまうのです。
ダブルウォールのメリット
ダブルウォールはインナーシートの外側にフライシートがあるため、雨風や直射日光がシングルウォールのように生地１枚越しに当たらず、フライシートに当たってくれます。
さらに、シングルウォール最大の弱点である、結露もインナーシートとフライシートの間に空気の層ができるため、テント内と外気の気温の差が緩やかになるため、全く結露しないわけではありませんが、圧倒的に結露が少なくなり結露が発生するのもフライシート側なのでほとんど気になりません。
シングルウォールでは、構造的に難しいのですが、ダブルウォールでは、フライシートがあるので前室というスペースを作ることができます。そこで着替えをしたり、直接雨風に触れることなく、支度することができます。フライシートをかける分、骨組みが増えるため、テントの強度も上がります。
シングルウォールとダブルウォールの携行性
携行性の面では、シングルウォールとダブルウォールではフライシートがあるため、骨組みと生地の枚数が異なり、重量や畳んだ時の大きさは、どうしてもシングルウォールの方が軽く、小さくなります。
重量もシングルウォールの方が軽く、携行性に優れているでしょう。
テント生地の素材
テントによく使われる生地には、ポリエルテル、ナイロン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン、コットンなどがあり。
ポリ塩化ビニールとポリエチレンは主にテントの床面に使用されます。
ポリエルテルは強度も高く、耐水性もあるため、フライシートに使われていることが多く、ナイロンはインナー部に使用されていることが多いです。
この中でコットンが一番結露しにくいのですが、コットン性のテントは高価で、ナイロンや、ポリエルテルよりも重量があるといったデメリットもあります。
素材だけでなくテントメーカー独自の加工を生地に施すことにより、耐水性や、UVカット、透湿性などを高めているテントも多いですが、性能が上がると、価格も上がっていく傾向があります。
テントの骨組みの素材
テントの骨組みにはスチール、グラスファイバー、アルミニウム合金、ジュラルミンなどが使われます。
スチールは強度が高いのですが、さびやすくほかの素材に比べると重いという欠点もあります。
グラスファイバーはガラス繊維で出来ており、錆びませんが、アルミニウムよりも折れやすく、重いという欠点があります。
アルミニウム合金は軽く折れにくく、さびにくく、中でもアルミニウム合金の一つである、ジュラルミンはとても軽く強度も高いので人気の素材ですが、価格も高くなる傾向があります。
テント泊をするなら最も買ってはいけないシングルウォールテント
ホームセンターなどで販売している１人から３人用の２～３千円程の価格帯で販売しているものがありますが、シングルウォールなので、当然フライシートもなく耐水圧などが記載されていますが、そもそも製法が良くなく、生地の縫い目に隙間があいていることなどがあり、結露もしますが、雨が降った場合、その隙間から雨が入ってきます。
このような理由から、テント泊には適しません。
