身近な人が、念願のマイホームを購入！
こんな話を聞くと、自分のことのように嬉しくなりますね。
あれがいいかな、喜んでくれるかなと考えながら、新築祝いを選ぶのも楽しいことです。
しかし、日本ではお祝いに関して、礼儀や縁起に絡んだ考え方があります。
新築祝いも、何を贈ってもいいという訳ではないのです。
いったい、どんなものを買ってはいけないのでしょう？
新築祝いには向かないもの
新しい家に贈るお祝いは、少しデリケート。
一般的なお祝いには良くても、新築祝いには避けるべきものもあります。
火を連想させるもの
たとえば、鍋パーティに欠かせないカセットコンロ。土鍋と一緒に贈ったら、素敵なプレゼントになりますよね。
残念ながら、これは贈ってはいけないもの。
火に関する贈り物は「火事を連想させる」ため、新築祝いには良くないとされているのです。
キャンドルやストーブ、トースターなどもタブーにあたります。
同じ理由で贈ってはいけないのが「赤いもの」です。
本来、赤は縁起が良いとされていますが、火を連想させる色でもあります。喜ばれそうなものでも、赤い色だけは避けましょう。
壁に掛けるもの
額装の絵画、お洒落な壁時計などは、プレゼントにピッタリですよね。
でも、壁に飾るものを贈るのは、新築祝いではタブーとされています。
額や時計を掛けるには、壁に穴を開けなければいけないからです。
家を傷つけることになりますから、嫌がる方もたくさんいらっしゃいます。やはり、新築祝いには避けたほうが良いですね。
観葉植物
私事で申し訳ありませんが、これは筆者の経験から挙げさせていただきます。
観葉植物には、縁起が良いとされる種類もありますので、贈り物に使われることも多いでしょう。
筆者も、青年の木と呼ばれるユッカと、白い花を咲かせるスパティフィラムをいただいたことがありました。
でも、ユッカはすくすくと成長し、数年後には天井に届いてしまったのです。
これではもう、部屋に置くことはできません。
仕方なく、鉢ごと庭に出したのですが……残念ながら枯れてしまいました。
スパティフィラムは縦に伸びませんが、鉢の中でどんどん根を張ってしまい、すぐに株分けが必要になります。
そして、こちらも私事ですが、筆者はガーデニングが大の苦手。
結局、植物が好きな友人に、引き取ってもらうこととなりました。
縁起が悪いとされているもの
日本には、昔から「縁起を担ぐ」という文化があります。
令和の時代になった今でも、気を遣うべき場は意外と多いものです。
お祝い事では、縁起が悪いものを贈るのは避けましょう。
日本茶
ちょっとしたお礼や、気軽なプレゼントにピッタリな日本茶。
でも、お葬式の供物や香典返しなど、弔事で使われることも多いものです。
このことから、お祝いごとには良くないとされています。
刃物
はさみや包丁などの刃物は、切るという用途が「縁を切る」に通じます。
そのため、刃物を贈るのはタブーなのです。
ハンカチ
ハンカチは漢字で「手巾」と書きます。
この漢字を「てぎれ」と読むので、ハンカチを贈ることは「手切れ→縁が切れる」につながるとされています。
櫛
「くし＝苦死」に通じることから、櫛は縁起が悪いと言われています。
完全な語呂合わせですね。
目上の方に贈ってはいけないもの
上司や年上の方など、目上の方にお祝いを贈る場合には、特に気を付けるべきものがあります。
履物、敷物など足元に使うもの
華やかなマットやお洒落なスリッパは、新築祝いに選びたくなりますね。
でも、履物や敷物のように、足元に使うものには要注意。
「踏みつける」に通じることから、目上の方に贈るのはタブーになります。
筆記用具、腕時計、カバン
名入りの万年筆やボールペンなどの筆記用具は、喜ばれる贈り物ですが「これを使って頑張ってね」という意味があります。
同じように、腕時計やカバンも「これを使って勤勉に」という意味合いになるのです。
そのため、目上の方へは贈らないほうが良いとされています。
ベルト
プレゼントとしてよく選ばれるベルトも、目上の方へ贈るにはふさわしくありません。
「気を引き締めてね」「腹をくくって頑張れ」という意味に通じるからです。
優先すべきは先方の希望
お祝いとして買ってはいけないものには「縁起が悪い」「意味合いが悪い」という理由が多くありました。
でも、これは視点を変えてみると、良い受け取り方にもなりますよね。
例えば、縁起が悪いとされる刃物は「未来を切り開く」と解釈することも可能です。
櫛も「揉め事を解きほぐす」に通じるのですから。
新築祝いを贈る際は、すでに持っているものと被らないよう、リクエストを聞くことも多いものです。
その場合は、タブーとされているものであっても、先方の希望を優先して構いません。
例えば「あの素敵な絵が欲しい」と言われたなら、快くプレゼントしましょう。
贈り物をする一番の目的は、先方に喜んでいただくこと。素敵な笑顔が見られるといいですね。
