買ってはいけないがん保険

「がん保険に入っておきたいけれど、どれを選んだらいいの?」

がん治療は長期化しやすいため、慎重に選びたいですよね。しかし、がん保険の保障内容は商品によってさまざまです。

がんになってしまったとき、どのような保障があれば安心といえるのでしょうか。

そこで今回は、がんになっても安心な保障を備えるために、がん保険の種類と選び方のポイントについてお伝えしていきます。

がん保険には免責期間がある

がん保険を選ぶ前に、まずはがん保険の免責期間について知っておきましょう。

がん保険には、契約から3か月または90日の免責期間(待機期間)が設定されているのが一般的です。この期間内にがんと診断されると、給付金などの保障を受けることができず、契約も無効になってしまいます。

がん保険は加入してもすぐ保障がはじまるわけではないので、健康な状態のときに余裕をもって加入しましょう。

また、保険料の支払いが二重になってしまいますが、見直す際は新たに加入するがん保険の免責期間が過ぎたことを確認してから、前のがん保険を解約するようにしましょう。

保険期間について

がん保険の保険期間には、終身タイプと定期タイプがあります。
どんな時期にどれだけの保障がほしいか、保険料は支払えるか、バランスを見ながら選ぶことが重要です。

終身タイプ

保障が一生涯続くタイプ。
保険料が加入時からずっと変わりませんが、更新タイプの当初の保険料と比べると高く設定されています。
一生涯保障が必要な方や、見直しをせずにずっと同じ保障がほしい方におすすめです。
若ければ若いほど保険料が安いので、家計への負担を抑えたい場合は年齢の低いうちに加入しておくと良いでしょう。

支払い方法には終身払いのほか、一定期間で支払いを終える短期払いがあり、短期払いを選べば月々の保険料が高くなります。
老後に保険料の負担をなくしたい場合は、60歳までに払込みを終了するよう設定するなど、短期払いも検討しましょう。

定期タイプ

5年、10年など、一定期間だけ保障するタイプ。
当初の保険料は終身タイプより安いので、働き盛りや子どもが小さい時期など、決まった期間だけ保障を手厚くしたい方におすすめです。

定期タイプは保険期間が終了すれば通常は自動更新されますが、保険料は更新時の年齢で再計算されるため高くなります。
更新時期に合わせて定期的に見直しをしたい場合は、更新タイプのほうが適しているといえるでしょう。

ただし、がんは年齢とともに罹患率が上がりますが、健康状態によっては新たな保険に加入できなくなることにも注意しなければなりません。若いうちは定期タイプで保険料を抑えて、将来は貯蓄でなんとかするなど、保険料の安さだけでなく長期的に見て選ぶようにしましょう。

保障内容について

がん保険の保障には、どのようなものがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

給付金の種類

給付金の種類や名称は保険会社によって異なりますが、代表的なものを説明していきます。

・がん診断給付金
初めてがんと診断されたときに、まとまった金額(一時金)が受け取れます。
50万円単位や100万円単位で、金額を設定できる商品が多くなっています。
給付金の使い道は自由となっており、入院費や治療費だけでなく生活費や貯蓄にあてることも可能です。
初めて診断された1回のみ受け取れる商品や、条件によっては複数回受け取れる商品もあります。

・がん入院給付金
がんの治療を目的として、入院したときに受け取れます。
日額10,000円など、入院日数に応じた金額が支払われるのが一般的です。
医療保険とは違い支払限度日数に制限がない場合が多く、入院が長期になっても無制限で支払われるようになっています。

・がん手術給付金
がんの治療を目的として、手術をしたときに受け取れます。
給付金額が入院給付金日額に連動している場合が多く、手術の種類に応じて入院給付金日額の10倍・20倍・40倍に設定されている商品や、一律20倍の商品などがあります。
また、一回〇万円のように設定している商品もあります。
手術回数は基本的に無制限ですが、一部の商品では特定の手術に対して給付限度が設定されている場合があります。

・がん通院給付金
がんの治療を目的として、通院をしたときに受け取れます。
日額5000円など、通院日数に応じた金額が支払われるのが一般的です。
通院前にがん治療での入院が必要なものや、入院の有無にかかわらず支払われるものもあり、支払限度も商品によって異なります。

・がん治療給付金
所定の抗がん剤治療やホルモン剤治療、放射線治療を行ったときに受け取れます。
一回10万円や月に10万円といった金額が支払われ、支払い限度も商品によって異なります。
抗がん剤治療給付金、がん放射線治療給付金など、それぞれの保障を独立させて条件を細かく設定している商品もあります。

・がん先進医療給付金
がんの治療を目的として、所定の先進医療を受けたときに受け取れます。
先進医療の技術料は全額自己負担となるため、この技術料に当たる部分が支払われます。
通算2000万円など、上限が設定されているのが一般的です。
ただし、厚生労働省に届け出た特定の医療機関で受けた治療でないと、先進医療とは認められないので注意が必要です。
特約として付加するかしないかを、選択できる商品も多くなっています。

一つの商品で何種類もの給付金が受け取れる保険もあれば、がん診断給付金やがん入院給付金が主契約で必要な保障を特約として付加する保険もあります。

給付金の支払い条件や支払い回数は商品によって異なるので、保険の比較検討をするときは給付条件をよく確認しましょう。

実損填補型保険もある

生命保険会社の保険はあらかじめ定められた金額を支払う定額払が一般的ですが、一部の損害保険会社は実損填補型保険も取り扱っています。
がん治療のために実際にかかった費用を負担する保険で、治療費が高額になった場合でもカバーできるのが特徴です。

健康保険の自己負担分はもちろん、健康保険が適用されない自由診療の費用も全額補償されます。

補償金額に上限が設定されており、基本的に定期タイプのみとなっています。

選び方のポイント

がん治療にかかる費用は、がんの種類や発見されたときのステージによって大きく異なります。
がん保険を選ぶ際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

がん診断給付金は必要

保険料を安くしたい場合でも、まずはがん診断給付金がある保険を選びましょう。なぜなら、自由に使えるがん診断給付金を確保しておくことで、いろんな治療法に柔軟に対応できるからです。また、がんと診断されたらすぐに支払われるため、治療前からまとまったお金があれば精神的な安定にもつながります。

給付金の額はひとまず100万円あれば安心といわれていますが、どんな状況に備えたいかによって変わってきます。がん治療のための収入保障保険もありますが、収入の減少や生活費のために備えたい場合は、金額を高めに設定しておきましょう。

再発や転移が起こってしまったときや治療が長引いた場合に備えたいなら、給付金を複数回受け取れる保険を選んだほうが良いでしょう。

通院にも備えたい

がんの治療は長期にわたる場合もあるため、通院に対する保障もあると安心です。

以前はがん治療は入院での手術療法が中心でしたが、現在は抗がん剤やホルモン剤を使う化学療法や、放射線療法も多く行われています。

化学療法や放射線療法は通院でも行うので、がん通院給付金やがん治療給付金などの保障も検討しましょう。

先進医療特約の重複に注意

がん治療のために先進医療を受ける場合、費用が高額になることも。がん先進医療特約は比較的少ない負担で備えることができるので、付加をおすすめします。

ただし、先進医療特約は医療保険でも付加できるため、既に医療保険に加入している場合は重複に注意しましょう。

上皮内新生物の保障は?

がん細胞が上皮と呼ばれる場所の内側にとどまっている状態のものを、上皮内新生物(上皮内がん)といいます。
放置すると悪性新生物になる可能性がありますが、上皮内新生物の段階で発見できれば、転移や再発の可能性はほぼありません。

上皮内新生物への扱いは、保障されなかったり診断給付金が半額のみ支払われたりと、商品によって異なります。
悪性新生物に比べて経済的な負担は少ないといえますが、上皮内新生物の保障もほしい場合は確認しておきましょう。

まとめ

がん治療には手術療法以外にもさまざまな方法があるので、どんな治療を選択するとしてもカバーできる保険がおすすめです。
そのためにも、自由に使える診断給付金がある保険を選んでおくと良いでしょう。

長引く治療や通院への備えもしておくと、より安心です。

将来がんになってしまったとしても慌てないように、自分がほしい保障を明確にして納得のいく保険選びをしましょう。

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