電力の訪問販売？電気なら、最初から通っていて、今も使っているけど・・・？
タイトルを見て、そう思われた方もいらっしゃるでしょう。
2016年から電力の販売が自由化され、従来あった「●●電力」といった名称の各エリア大手電力会社以外からも、電力を購入できるようになっています。
新興の電力会社のなかには、既存の電力会社より安い料金プランがある事業者もあったりします。
では、そんな新興電力会社の電力を訪問販売されたら、買ってよい？買ってはいけない？
既存電力会社からの委託を装う悪質な業者に注意
電力販売の自由化以降、多くの小売電気事業者が新規参入しています。
みなさんも、携帯電話の契約更新などの際、セットで電力契約を勧められたことがあるのではないでしょうか。
こうした新電力では、携帯電話のほか、ガス・インターネットなどでもセット割引が用意され、お得な料金プランで電気を利用することができる場合があります。
しかし、中には詐欺のような手段で強引に電力契約を切り替えさせようとする悪質な業者がいるため、注意しなければいけません。
特に最近は、「既存の大手電力会社から業務委託を受けている・関連会社である・代理店である」などと言って戸別訪問してくるケースがあります。
「電気料金が安くなるため、●●電力からの指示で、この地区のみなさまに案内している」というような具合です。
そういうものかとつい信用して、電力契約を切り替えてしまうひともいますが、実はこれらの業者はたいていの場合既存の大手電力会社とは何の関係もありません。
電力契約を切り替えたのに安くならないケースも
このような詐欺的な業者の場合、電力を切り替えても特段安くならないというケースも多いのです。
それどころか、切り替え前の電力契約に関して、解約に伴う違約金が発生することもあります。
違約金を払ってまで乗り換えても、結局電気料金が安くならないのでは、意味がないですよね。
悪質な業者は、とにかく自社の販売する電力へ切り替えさせることが目的なので、「一律で安くなります」「月々●％下がります」などの営業トークを仕掛けてきます。
しかし実際には「一定の基準を超えた電気利用につき、超過部分のみに割引適用」という内容であったりしますので、だまされてはいけません。
また、こうした悪質な電力販売業者では、突然電力販売事業を撤退して、一方的に解約通知を送りつけてくるというような事例も発生しています。
トラブルを避けるためにも、悪質な業者が販売する電力、買ってはいけません。
安易に検針票を見せてはいけない
こうした悪質な電力販売事業者は、「料金プラン変更にあたって、現在の検針票を確認する必要がある」と言って、検針票の提示を求めてきます。
検針票には、電力会社の「お客様番号」や「供給地点特定番号」が記載されており、これらの情報を業者に把握されると、最悪の場合勝手に電力契約の変更手続きをされてしまいます。
国民生活センターでも、こうした「勝手切り替え」について注意喚起をしています。
参考：国民生活センター「いつの間にか切り替えに、電気の契約切り替えトラブル」
電気の検針票など、普段あまり気にも留めないというひとが多いと思いますが、詐欺的な電力販売事業者にとっては何としても手に入れたいものなのです。
もし電力会社やその関係者を名乗るひとが訪問してきても、安易に検針票を開示してはいけません。
検針票を見られてしまうと、自分でも気づかないうちに電力会社を乗り換えさえられる可能性があります。
「アパート全体で電力プラン変更」「電気メーターの点検」などの手口も
他にも、以下のような方法でアプローチしてくる場合があります。
「このアパート全体で、電力プランを変更することになりました」
「電気メーターの点検で来ました」
いずれの場合も、「つきましては、検針票を拝見させてください」と要求してきます。
検針票を見せてしまうと、勝手に電力会社を変更させられてしまう可能性が高いことは、先述のとおりです。
こうしたトークの場合、直接的に電気料金に関して言及しないので、うっかり騙されてしまいそうですよね。
特に、進学や就職で一人暮らしを始めたばかりの若いひとは、それまで電力契約のことなど気にしたこともないという場合も多いでしょう。
くれぐれも、検針票の開示にあっさり応じてしまうようなことがないよう気を付けましょう。
電力契約の切り替えを、電話勧誘される場合もある
悪質な電力契約の乗り換え販売は、訪問だけでなく電話で行われることもあります。
導入トークは訪問販売の場合同様、「●●電力の関係会社」「電気料金のプランが変更になる」といったような内容です。
そして電話の場合もやはり、「お客様情報に間違いがないか確認のため、検針票の内容を教えてください」という風に言われます。
先方の指示通り検針票に記載されたお客様番号などを電話口で読み上げると、業者の方では聞き出した情報を使って勝手に電力契約の切り替え手続きを進めてしまいます。
検針票は、うかつに業者へ見せていけないだけではなく、番号などを口頭で伝えることも避けなければいけません。
まとめ
以上で本記事を終わります。
訪問販売で勧められた電力契約の切り替え、メリットがないだけでなく、デメリットが生じることもあるので、安易に応じてはいけません。
特に、検針票を見せるよう言われたら、勝手に乗り換えの手続を進められてしまう可能性が高いので、絶対に応じてはいけません。
