石鹸シャンプーってなんか良さそうだけど、どうなんだろう?使ったことある?
うん、あるよ!でもね、いくつか注意点があるんだよね。
石鹸シャンプーというと、なんとなく安心で健康的、地球にもやさしい、というような印象がありますよね。実際に石鹸は古くから利用されている、私達のもっとも身近な洗浄料かもしれません。
そうした印象から、毎日使うシャンプーも、石鹸系のシャンプーが頭皮や髪にも良いものと思って「使ってみたい!」と思う方も少なくないでしょう。
ですが、実際使ってみるとこの石鹸シャンプーやリンス、ちょっと難しいこともあるんです。
こちらでは、そんな石鹸シャンプーの特長、リンスの使い方、石鹸シャンプーならではのトラブルや対処法などについてご紹介します。
石鹸シャンプーとは
石鹸というのは、油脂や高級脂肪酸など油性の成分と強アルカリ性の成分を反応させてできた界面活性剤です。これを石けん素地、カリ石けん素地などといいます。
石鹸シャンプーには固形タイプや液体タイプがあります。
固形タイプの場合、全成分が石けん素地やカリ石けん素地だけで作られているものが、本当の無添加石鹸ですね。
液体のシャンプーであれば、水と石鹸成分のみというのが本当の意味での無添加です。
「無添加」と書かれていても、香料が無添加とか、着色料、防腐剤などを指して無添加としているものもあるので、正真正銘無添加にこだわる場合は全成分を確認しましょう。
石鹸シャンプーの特長
石鹸シャンプーは頭皮への刺激は優しく、皮脂を落とす洗浄力は強めです。そのため皮脂分泌が多くて油っぽい頭皮の方に向いているシャンプーと言えるでしょう。
頭皮が乾燥している方には洗浄力が強すぎます。
また、髪の傷みがある方は、ダメージも大きいのであまりおすすめはできません。
石鹸は弱アルカリ性です。そのため、髪の毛にはダメージを与えるというリスクがあるのです。
髪の毛はもともと弱酸性。
石鹸によってアルカリに傾いた髪は、キューティクルが開いて傷みやすい状態になってしまうのです。
そのため、石鹸シャンプーはかならずクエン酸リンスを使用して髪のアルカリを中和してあげることが必要となります。
石鹸シャンプー使用で注意すること
石鹸シャンプーを使う場合は、いくつか注意しなければならない点があります。石鹸シャンプーは実は髪の毛に吸着しやすいもの。
その理由は、石鹸成分が水道水に含まれるカルシウムと結びついて、石鹸カスとなって、それをキューティクルが開いた髪が吸着してしまうから。
石鹸カスって、お風呂場なんかでも壁や鏡なんかにつくとなかなかとれなかったりしますよね。
というのも、石鹸カスは水では溶けないんです。だから、ああして浴室の壁なんかにこびりついてしまうんですね。
そんな石鹸カスが髪にくっついて落ちなくなるために、髪がゴワゴワしたり、きしんだりするというわけです。
そのため、大事なのはクエン酸リンスで中和すること。
この行程を加えることで、髪のアルカリを戻し、キューティクルを閉じ、石鹸カスが脂肪酸に変わって髪が落ち着きます。
浴室の壁の石鹸カスもクエン酸でお掃除すれば落ちやすいというわけですね。
石鹸シャンプーでベタつく原因は?
石鹸シャンプーは洗浄力が強くてさっぱりするという方もいれば、石鹸シャンプーはなぜかベタつくという方もいます。洗浄力が強いはずの石鹸シャンプーで、なぜベタつきが起こるのでしょうか。
これは、すすぎが足りないというのが最大の原因です。
まず、石鹸でシャンプーしたら、それをしっかりと手早くすすぎ洗いをしないといけません。
ですが、石鹸シャンプーは髪がごわつくので、すすぎもなかなかスムーズにいかなかったりします。すすぎもそこそこに、リンスをしてしまうことでべたつきが発生するのです。
というのも、先述の通り、クエン酸は石鹸成分を脂肪酸に変える役割があります。
脂肪酸というのは、脂です。石鹸カスが大量にある状態でクエン酸を使うと、脂肪酸が大量に発生して、髪がベタついてしまうのです。
そのため、できるだけ念入りにすすいでからクエン酸リンスをすると良いでしょう。お酢やレモンを水道水で薄めて使う場合は、その濃度によっても反応が変わることがあります。
水道水のカルシウムと結合すると石鹸カスができるので、あまり長い時間すすいでいるのも石鹸カスをたくさん発生させることになるのが困りモノ。勢いの弱いシャワーでジワジワと洗い流しているようだと、石鹸カスが大量にできやすい状態かもしれません。
石鹸シャンプーを上手に使いこなすのにはすすぎの仕方やクエン酸リンスを使うタイミングや量など、コツが必要ですね。
一般的にミネラルウォーターでも軟水と硬水がありますが、硬水はカルシウムやマグネシウムが多く含まれています。
硬水というのは、120~180mg/Lの硬度の水。
日本の水道水は軟水(0~60mg/L)と言われています。
各水道局のデータによると、
- 東京都では硬度は64.6mg/L(平成25年度)
- 大阪府では40~50mgL程度(通年おおむね)
- 広島市では10~25mg/L(通年おおむね)
- 札幌市では24~48mg/L(平成27年度)
このように日本国内でも、地域でもかなり硬度に差があり、比較的高い数値を示す場所もあります。
アメリカやヨーロッパの水道水は、硬水で、石鹸シャンプーを使いにくい地域とも言えるでしょう。
まとめ
石鹸シャンプーは、お肌に優しく環境にも優しい印象がありますが、結構使い方もコツが必要ですね。
皮脂をしっかりと落としてくれる強い洗浄力があるので、脂性の方には取り入れてみたいシャンプーのひとつですね。
ただ、髪の毛のダメージが強い場合は、弱アルカリ性の石鹸シャンプーはあまり適していないとも言えそうです。
実際に使ってみると、髪がバサバサしてまとまらないので使用を諦めたという方も多いですね。
また、頭皮が乾燥気味の方にも、脱脂力が強いので不向きでしょう。
石鹸シャンプーは、水道水に含まれるカルシウムと結合して石鹸カスになってしまうことが、髪を傷めることに繋がる場合もあります。
また、すすぎが足りなくて残ったままクエン酸リンスをすると、ベタつきの原因となってしまいます。
正しく使えば、トラブル肌が解消できたり、頭皮の環境改善になる石鹸シャンプーです。
石鹸シャンプーを使うなら、クエン酸リンスを上手に使って、石鹸シャンプーの良いとこどりをしたいですね。