監修医師
おおこうち内科クリニック
大河内 昌弘
名古屋市立大学病院、愛知県公立尾陽病院で内科医として勤務した後、アメリカルイジアナ州立大学生理学教室に留学。
その後、厚生連尾西病院内分泌代謝科部長、名古屋市立大学消化器代謝内科学 臨床准教授を経て、平成24年10月におおこうち内科クリニック開業。
日本内科学会専門医、日本糖尿病学会専門医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本消化器病学会専門医、平成15年学位取得。
痛風と併発しやすい高血圧症
痛風にかかったことのある人は高血圧症にもかかっている率が高いことが知られています。初期の高血圧症に症状はありませんが、高血圧を放置すると、慢性的に血管に負担がかかり、血管の内壁が傷んだり、固くなったりします。血管が傷むと、動脈硬化を引きおこし、脳血管疾患や心臓病など重篤な疾患につながります。
厚生労働省によると診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。また自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準が用いられます1)。
治療の継続にくわえ、食事療法も併せて実践することでよりよい結果を期待できます。適度な運動や睡眠不足解消等、生活習慣の改善をおこない、尿酸値を正常範囲にまで下げることを目指しましょう。
1)厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html
痛風と脂質異常症
脂質異常症(高脂血症)という言葉をご存知でしょうか。
脂質異常症という言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、高脂血症と同じような意味です。特定の脂質の量が少ないという異常もあるため、医学的には脂質異常症と呼ばれています。
高コレステロール血症は脂質異常症のひとつですが、血液中のコレステロール値が正常より高い状態を指しています。
脂質異常症患者と痛風患者において、食生活に一つの特徴的な共通点があげられます。カロリーの高い食事や脂質の高い食事のとりすぎなどです。お酒を飲み、揚げ物を食べ、しめにラーメンをとるような生活をしていると、脂質についても尿酸についても健康に悪い状態になるということですね。
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)値上昇の原因として、揚げ物、バターや生クリーム、ベーコンやソーセージなどの肉を加工した食品、肉の脂身など動物性脂質のとりすぎなどがあげられます。
食生活に限らず、喫煙や不規則な生活習慣などが重なることで、さらに悪玉コレステロールが上昇します。
これにより、血液循環が悪化し血管を硬化させ、血栓の原因となります。また、血栓は脳血管障害や心疾患を引き起こす原因となります。
このように、高尿酸血症、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣が大きく関係している病気には関連性があり、複合的に全身の血管や臓器にダメージを与えていきます。元気に毎日をおくるためにも日頃から健康管理に努めましょう。